チェス用語辞典

はじめに

管理者の偏見に基づいて、日本チェス界で生きていくための用語を辞典としてまとめる。
内容の信ぴょう性については保証しないので、おまけページ的に楽しんで欲しい。

辞典

NCS (National Chess Society of Japan)

2019年に設立。日本におけるチェスの普及、振興を目的とした活動を行う団体。
名前から怪しさが若干出ているが、国際チェス連盟(FIDE)に唯一加盟する、名実共に日本チェス界を統括、代表する組織。

元々は日本チェス連盟(Japan Chess Federation)を名乗る予定だったが、他組織が先に商標権を申し込んだことにより設立時に断念した経緯がある。
後に当該組織の設定登録料の未払いにより権利が消滅したため商標権を取得することができ、それ以降は適宜NCSと日本チェス連盟を併記して使用するようになる。

大会参加者の国際化、運営の誠実さに力を入れているように見える。大会要項や当日のアナウンスに英語を追加したり、会計の公表など、好意的な意見が多い印象。
一方で大会参加費の増額や競技ルールの厳密な適用を嫌うビギナープレイヤーからの批判も一部ではある印象。

JCA (Japan Chess Association)

かつて日本チェス界を統括、代表していた団体。現在は活動を終了し、代わりに設立された NCS がその役目を引き継いでいる。
長年の継続的な大会を担い、日本チェス界へ大きな貢献をしたと言える。

学生の参加費は半額、年会費は手持ちが無いとゴリ押せば許してもらえるなど、良くも悪くも気軽な雰囲気だった印象。
一方で運営や代表選定方法が不透明、大会運営の不備が多いなど、特にトッププレイヤーなどから根強い批判があった印象。

公認クラブ

NCSから公式に認められた日本国内のチェスクラブの総称。
NCSに必要事項を送り、年会費を払うことで登録される。登録時に審査は実質的には無いが、悪質な行為が確認されると公認を取り消すことがあるとのこと。

追加金額を支払うことで全日本地区予選大会を開く権利が貰える。地区予選大会を開催すると全日本大会への参加資格を、地元推薦枠としてクラブから一人へ付与できる。規定上は大会成績関係なしに(実質)任意の対象者を選べるが、実際には開催地区の在住、出身者の中で最も大会成績が良い人を選ぶのが恒例になっている印象。

公認クラブになるとオンラインの公認クラブミーティングに呼ばれるようになる。NCSへの要望や提案を通して自分の考えをチェス界へ反映できることは公認クラブになる意義といえる。また、クラブ選手権という団体戦の大会では、公認クラブのみ先行申し込み券を得られる特典もある。

川崎チェスクラブ

日本最高のチェスクラブ(嘘)。
NCS 公認クラブの1つであり、川崎周辺を主な活動場所としている。

アイスブレーク的に何度か運営がラピッドをペアリングしてくれる。チェスを指したい人は、とりあえず行けばある程度対局ができ、その流れで話し相手もできる(はず)。
最近は大会運営にも力を入れており、初の神奈川選手権、神奈川ラピッド選手権を開催した。

運営がコミュ障なのが玉に傷。

余談だが、運営は2人おり、公式 Twitter とクラブの代表(このHPの運営者)は異なる人が行っている。

8×8チェスクラブ

NCS公認チェスクラブの一つ。8×8の読み方は「えいとばいえいと」。
クラブ選手権優勝の常連であり、チェス界の大御所ともいえる。

極めて高いチェス戦闘力とは打って変わり、その活動雰囲気はフレンドリー。初心者でも歓迎し、丁寧にチェスを教えてくれる。主要運営メンバーに女性プレイヤーがいる点もチェスクラブにしては珍しく、女性プレイヤーにとっては参加しやすい要素の一つである。

チェスクラブ参加を検討する初心者へ一番におすすめしたいクラブである。
……、間違えた。川崎チェスクラブの次におすすめしたいクラブである。

Zugzwang

読み方は「ツークツワンク」。読みにくいチェス用語ぶっちぎりの1位だと思う。
チェスにはパスが無いため自分の手番で駒を何か動かす必要があり、その動きで自分の局面評価を悪くしてしまう局面のこと。

一般に自分の手番には自分の局面評価を良くする動きを指すため、具体例を見せないと初心者には少し理解が難しい。

チェスにおいてはエンドゲームまでもつれ込んで駒が少なくなり有効手が減るためそこまで珍しい事象ではないが、将棋は取った駒が使えることから終盤になっても有効手が減りにくく、あまり起こらないらしい。

エンドゲーム

チェスのゲームの終盤のこと。
ここで言う「終盤」とはゲーム終了に近いという意味ではなく、ゲームが進んで盤上の駒の数が減った、落ち着いた局面のことを言う。
短手数で駒交換があまり起こらずにチェックメイトまで辿り着いた場合など、エンドゲームに入る前にゲームが終了することも珍しくない。

駒の数が減るため読みが簡単になるという誤解を持つ初心者もいるが、盤面が整理されることで読むべきの手の深さが増すともいえ、逆にエンドゲームの読みは難しいという人も多い。
直感的には何でもないような手が Zugzwang が絡むことで一気に負けへ直結するなど、非常に奥深い段階ともいえる。

ブランダー

チェスにおいては悪手のこと。「Blunder」(とんでもないヘマ )という英単語からきている。
大会で頻繁に聞く悲しい単語である。

汎用性が高いため、日常生活でも使用するチェスプレイヤーは多い。
例えば、間違えて大井町駅へ行こうとして大手町へ行ってしまった人を煽る際に「それはブランダー(笑)」のように使う。

ルックダウン

ルックを駒損している局面状態を指す。

ルックは強力な駒であり、一般にルックダウンは極めて厳しい局面といえる。
ルックダウンという単語を聞くだけで無性に不安になってしまうチェスプレイヤーも中にはいるはずである。

反対に駒得している局面はルックアップと言い、チェスプレイヤーにとっては実家のような安心感を与えてくれる言葉である。

余談だが、「ルックダウン」という名前の魚が実在する。チェスプレイヤーが水族館に行った際は要チェックな魚である。

ギャンビット

自駒の展開スピードを優先する代わりに駒損をすること。
展開スピードと駒の価値という、単純比較できない要素同士を比較する必要性があるためギャンビットが成立しているかは判断が難しい。

大会では駒損したことを認めずにギャンビットだと言い張る悲しい人がいる。逆に落ちているポーンを怖いギャンビットではないかと疑心暗鬼になって勝ちを逃すこともある。チェスプレイヤーならどちらも一度は経験があるのではないだろうか?ちなみに筆者は何度もある。

サクリファイス

駒損の代わりに局面の突破口を開くこと。
本質的にはギャンビットと同じだが、一般にギャンビットは序盤に低い駒価値であるポーンを捨てるのに対して、サクリファイスは中盤以降により価値の高い駒を捨てる派手な手であることが多い。

サクリファイスを行うことを「サクる」と言う。サクれるかサクれないか考えるドキドキはチェスをしていて最も楽しい瞬間の一つである。語呂の良さから日常生活でも「今日は必修の授業あったけどサクった。まだもう1回ぐらいならサクれる気がする!!」のように使うプレイヤーもいる。

0R

大会において朝の集合時間に間に合う時間に起床できるかの戦いのこと。
大会では1回戦目を 1R (Round) のように呼ぶが、0R という言葉から大会開始より前の戦いという意味が絶妙に伝わることから使われている。

大会当日の朝にきちんと起きられた際に SNS で「0R 勝利!」のように投稿される。

一般にチェスの大会では対局開始時間に会場にいなくても即負けにはならず、自分の持ち時間を全て消費した時又は大会規定で定められた時間が過ぎた時に負けとなる。そのため多少の遅刻はあまり問題にならないことから時間にルーズな気持ちになってしまい、結果的に 0R が熾烈なデッドヒートへともつれ込むこともある。

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