チェス用語辞典

はじめに

管理者の偏見に基づいて、日本チェス界で生きていくための用語を辞典としてまとめる。
内容の信ぴょう性については保証しないので、おまけページ的に楽しんで欲しい。

辞典

日本チェス連盟 (Japan Chess Federation)

2019年に設立。日本におけるチェスの普及、振興を目的とした活動を行う団体。
国際チェス連盟(FIDE)に唯一加盟する、名実共に日本チェス界を統括、代表する組織。

2022年3月までは 「National Chess Society of Japan (NCS)」という(名前から怪しさが若干にじみ出ている)名前で活動をしていた。これは元々は設立時から日本チェス連盟を名乗る予定だったが、他組織が先に商標権を申し込んだことにより断念したためである。
後に当該組織の設定登録料の未払いにより権利が消滅したため商標権を取得することができ、それ以降は適宜 NCS と日本チェス連盟を併記して使用するようになる。更にその後、組織の正式名称を日本チェス連盟へ変更してNCSを名乗るのをやめ、現在に至る。

なお、略称は無いというのが公式の立場であり、JCF 等の略称を公式には認めていない。

大会参加者の国際化、運営の誠実さに力を入れているように見える。大会要項や当日のアナウンスに英語を追加したり、会計の公表など、好意的な意見が多い印象。
一方で大会参加費の増額や競技ルールの厳密な適用を嫌うビギナープレイヤーからの批判も一部ではある印象。

JCA (Japan Chess Association)

かつて日本チェス界を統括、代表していた団体。現在は活動を終了し、代わりに設立された日本チェス連盟がその役目を引き継いでいる。
長年の継続的な大会を担い、日本チェス界へ大きな貢献をしたと言える。

学生の参加費は半額、年会費は手持ちが無いとゴリ押せば許してもらえるなど、良くも悪くも気軽な雰囲気だった印象。
一方で運営や代表選定方法が不透明、大会運営の不備が多いなど、特にトッププレイヤーなどから根強い批判があった印象。

公認クラブ

日本チェス連盟から公式に認められた日本国内のチェスクラブの総称。
日本チェス連盟に必要事項を送り、年会費を払うことで登録される。登録時に審査は実質的には無いが、悪質な行為が確認されると公認を取り消すことがあるとのこと。

追加金額を支払うことで全日本地区予選大会を開く権利が貰える。地区予選大会を開催すると全日本大会への参加資格を、地元推薦枠としてクラブから一人へ付与できる。規定上は(実質)任意の対象者を選べるが、実際には開催地区の在住、出身者の中で最も大会成績が良い人を選ぶのが恒例になっている印象。

公認クラブになるとオンラインの公認クラブミーティングに呼ばれるようになる。日本チェス連盟への要望や提案を通して自分の考えをチェス界へ反映できることは公認クラブになる意義といえる。また、チーム選手権という団体戦の大会では、公認クラブのみ先行申し込み券を得られる特典もある。

川崎チェスクラブ

日本最高のチェスクラブ(嘘)。
日本チェス連盟公認クラブの1つであり、川崎周辺を主な活動場所としている。

アイスブレーク的に何度か運営がラピッドをペアリングしてくれる。チェスを指したい人は、とりあえず行けばある程度対局ができ、その流れで話し相手もできる(はず)。
最近は大会運営にも力を入れており、初の神奈川選手権、神奈川ラピッド選手権を開催した。

運営がコミュ障なのが玉に傷。

余談だが、運営は2人おり、公式 Twitter とクラブの代表(このHPの運営者)は異なる人が行っている。

8×8チェスクラブ

日本チェス連盟公認チェスクラブの一つ。8×8の読み方は「えいとばいえいと」。
チーム選手権優勝の常連であり、チェス界の大御所ともいえる。

極めて高いチェス戦闘力とは打って変わり、その活動雰囲気はフレンドリー。初心者でも歓迎し、丁寧にチェスを教えてくれる。主要運営メンバーに女性プレイヤーがいる点もチェスクラブにしては珍しく、女性プレイヤーにとっては参加しやすい要素の一つである。

チェスクラブ参加を検討する初心者へ一番におすすめしたいクラブである。
……、間違えた。川崎チェスクラブの次におすすめしたいクラブである。

Zugzwang

読み方は「ツークツワンク」。読みにくいチェス用語ぶっちぎりの1位だと思う。
チェスにはパスが無いため自分の手番で駒を何か動かす必要があることから、その動きで自分の局面評価を悪くしてしまう局面のこと。

一般に自分の手番には自分の局面評価を良くする動きを指すため、具体例を見せないと説明が難しい。

チェスにおいてはエンドゲームまでもつれ込んで駒が少なくなり有効手が減るためそこまで珍しい事象ではないが、将棋は取った駒が使えることから終盤になっても有効手が減りにくく、あまり起こらないらしい。

エンドゲーム

チェスのゲームの終盤のこと。
ここで言う「終盤」とはゲーム終了に近いという意味ではなく、ゲームが進んで盤上の駒の数が減った、落ち着いた局面のことを言う。
短手数で駒交換があまり起こらずにチェックメイトまで辿り着いた場合など、エンドゲームに入る前にゲームが終了することも珍しくない。

駒の数が減るため読みが簡単になるという誤解を持つ初心者もいるが、盤面が整理されることで読むべきの手の深さが増すともいえ、逆にエンドゲームの読みは難しいという人も多い。
直感的には何でもないような手が Zugzwang が絡むことで一気に負けへ直結するなど、非常に奥深い段階ともいえる。

ブランダー

チェスにおいては悪手のこと。「Blunder」(とんでもないヘマ )という英単語からきている。
大会で頻繁に聞く悲しい単語である。

汎用性が高いため、日常生活でも使用するチェスプレイヤーは多い。
例えば、大井町駅へ行こうとして間違えて大手町へ行ってしまった人を煽る際に「それはブランダー(笑)」のように使う。

ルックダウン

ルックを駒損している局面状態を指す。

ルックは強力な駒であり、一般にルックダウンは極めて厳しい局面といえる。
ルックダウンという単語を聞くだけで無性に不安になってしまうチェスプレイヤーも中にはいるはずである。

反対に駒得している局面はルックアップと言い、チェスプレイヤーにとっては実家のような安心感を与えてくれる言葉である。

余談だが、「ルックダウン」という名前の魚が実在する。チェスプレイヤーが水族館に行った際は要チェックな魚である。

ギャンビット

自駒の展開スピードを優先する代わりに駒損をすること。
展開スピードと駒の価値という、単純比較できない要素同士を比較する必要性があるためギャンビットが成立しているかは判断が難しい。

大会では駒損したことを認めずにギャンビットだと言い張る悲しい人がいる。逆に落ちているポーンを怖いギャンビットではないかと疑心暗鬼になって勝ちを逃すこともある。チェスプレイヤーならどちらも一度は経験があるのではないだろうか?ちなみに筆者は何度もある。

サクリファイス

駒損の代わりに局面の突破口を開くこと。
本質的にはギャンビットと同じだが、一般にギャンビットは序盤に低い駒価値であるポーンを捨てるのに対して、サクリファイスは中盤以降により価値の高い駒を捨てる派手な手であることが多い。

サクリファイスを行うことを「サクる」と言う。サクれるかサクれないか考えるドキドキはチェスをしていて最も楽しい瞬間の一つである。語呂の良さから日常生活でも「今日は必修の授業あったけどサクった。まだもう1回ぐらいならサクれる気がする!!」のように使うプレイヤーもいる。

0R

大会において朝の集合時間に間に合う時間に起床できるかの戦いのこと。
大会では1回戦目を 1R (Round) のように呼ぶが、0R という言葉から大会開始より前の戦いという意味が絶妙に伝わることから使われている。

大会当日の朝にきちんと起きられた際に SNS で「0R 勝利!」のように投稿される。

多くのチェスの大会の場合、対局開始時間に会場にいなくても即負けにはならず、自分の持ち時間を全て消費した時や大会規定で定められた時間が過ぎた時に負けとなる。そのため多少の遅刻はあまり問題にならないことから時間にルーズな気持ちになってしまい、結果的に 0R が熾烈なデッドヒートへともつれ込むこともある。

Stockfish

強力なチェスプログラム。読み方は「ストックフィッシュ」。敬意を込めて 「Stockfish 先生」と呼ぶ人もいる。非常に広く普及しており、多くのチェスプレイヤーがゲームの解析や勉強に使用している。

しばしば掛け値なしの世界最強チェスプログラムだと誤解している人もいるが、実際は Komodo DragonAlpha Zero など他にも近い棋力を持つチェスプログラムが存在する。最強のプログラムがどれかは、そもそもプログラムが一般的に公表されていないものがあったり評価方法や各プログラムの新バージョンのリリースが出る度に微妙に変化したりするため、一概には言えない。ただ、2022年12月27日 現在、CCRLによる持ち時間15分/40手による評価では Stockfish (ver. 15.1 64bit版) が1位とされている。

開発はオープンソースとして行われている。そのため無料かつ誰でも利用可能であり、多くのチェスの対局サイトやアプリで解析エンジンとして採用されている。圧倒的な棋力は持っていないが知名度とシェアにおいて Stockfish が圧倒的なのはこのおかげだと思われる。少なくとも筆者の周囲の大部分は Stockfish を使っている印象である。

なお、プログラムが読めないがその中身の仕組みを知りたいという人のため、筆者の書いた解説記事が簡易版ながらある。興味のある人は是非読んで欲しい。なお、アルゴリズムは記事執筆時点での実装に基づいており、最新バージョンとは一致していない箇所があるので留意されたい。
プログラムを読まない人のための Stockfish 評価値アルゴリズム解説 (1)
プログラムを読まない人のための Stockfish 評価値アルゴリズム解説 (2)

chess.com

チェス対局サイトの二大巨頭の一つ。日本では一般に「チェスコム」と称される。

UIがシンプルなことやそのドメインの王道感から、多くのユーザーを抱える。

筆者は基本的に chess.com しか使わないが、初めに触れたものをそのまま使い続けているだけであり、特に強い理由はない。

lichess

チェス対局サイトの二大巨頭の一つ。読み方は「リチェス」。

chess.com に比べて機能が多いと言われている。筆者はオンライン大会が lichess 開催の場合などしか使わないため、詳細は不明。

chess.com よりもレーティングが高くつく傾向がある。単純比較はできないが、筆者の体感では300-400程高い印象。

FIDE title

FIDE(国際チェス連盟)が認定するチェスのタイトル。国際大会で一定の条件を満たした人が申請すると付与される。有効期限は無く、一度取ると生涯名乗ることができる。

種類は8種類ある。位が高い順に GrandMaster(GM), International Master(IM), FIDE Master (FM), Candidate Master (CM) 、それに加えて接頭語として Woman (W) を付けた女性のみ取得可能なものがそれぞれある。

取得条件は度々改定されるため、特に複雑な IM, GM, WIM, WGM の条件を把握しているチェスプレイヤーは少ないと思われる。参考までに2022年12月30日時点の条件を簡単に説明すると、例えば GrandMaster の取得には9回戦以上の国際大会においてGrandMaster を1/3以上、自分と異なる2種類以上のチェス国籍の選手、などなどの条件を含む対戦相手に、2600以上のパフォーマンスレーティングの成績を3回以上残すことを基本とする。更に全国チーム選手権は7回だけ対局すれば良い等の条件の緩和措置がある。その上で、国際レーティングを2500以上を一度以上記録する必要がある。

一方それ以外のタイトルは比較的条件は単純で、一定以上の国際レーティングを記録すれば得ることができる。例えば2022年12月30日時点の条件でCMは2200以上で取得できる。

また、ダイレクトタイトルという特例ルールでタイトルを得ることも可能である。これは特別な大会で一定以上の成績を収めた場合に取得できる。ただ、一部のダイレクトタイトルは基本的な取得方法よりも極めて簡単で、その反省からか、ダイレクトタイトルの場合でも最低限満たすべき下限レーティングの規定が設けられた。例えば2022年12月30日時点の条件でCM取得の下限レーティングは2000である。なお、下限レーティングの条件が制定される前に取得したタイトルには影響がない。

特に GrandMaster はチェス界における最高位タイトルであり、一般にチェスの達人の代名詞として使われる。ただし、国際レーティングのインフレやグローバル化による国際大会の敷居が下がったことなどにより、1500人以上の大量のグランドマスターが生まれてしまった。そのため、特に世界トップレベルの選手を指す言葉として 「Super GrandMaster」 という俗語が生まれた。これは一般に国際レーティング2700以上の GrandMaster のことを指し、2022年12月30日時点で40人いる。

大学チェス界

大学チェスサークルの部員によって構成される界隈のこと。なお、以下の情報は筆者が大学にいた2020年までの知見に基づいている。

日本ではチェス部のある中学高校が非常に少ないことから、大学チェスサークルは経験者がそのまま入って来ることが少ない。そのため、サークルは小規模になりがちで、その分大学間の繋がりが強い。特に大会によく出る人はそこで培った大学を超えた友人関係を持つ人が多い。

学生チェス連盟という組織が旗振り役となり、大学合同新歓、大学合同合宿、学生チェス選手権などを開催している。

よくやる遊びの代表格に「カラオケチェス」がある。自分が歌っていない時間もチェスで楽しめるという天才的な遊びである。一方だけが歌いながら指すことでハンデ戦も可能。平日に学割フリータイムで入った時のコスパは最強である。

余談だが、レーティング2000以上の学生はほぼみな留年しているというジンクスがある。

Swiss-Manager

世界的に広く普及している、チェスペアリングソフトウェア。公式サイトによると、FIDE 公認のソフトウェアであり、世界で60万以上の大会で使用実績がある。Unicode をサポートしており、日本語の入力も可能。フル機能版は150ユーロ(約2万5千円)と、若干高めな値段設定となっている。

主な特徴は、豊富な機能と、chess-results.com を通して簡単にペアリングを含む大会情報を公開できる点である。

機能としては、機械的なスイス式ペアリングはもちろん、ラウンドロビン等の形式、部分的なペアリングの手動変更、ペアリングの細かいポリシーの設定、タイブレーク設定の選択肢の豊富さ、後から対局結果の部分的訂正が可能、などなど非常に豊富である。現実的に起こりうるものは、基本的に全てカバーできると言っても良い。
ただ、使い方が複雑なため設定ミスによる間違いが起こることは珍しくない。その点は大会運営者泣かせなソフトである。

chess-results.com を通した大会情報の公開機能は、特に大会参加者から評価が高い印象。印刷した紙のペアリングを見なくても手元のスマホで詳細を確認できる。特定の選手のこれまでの対戦相手の結果等を簡単に見ることもできる。他にも無料のペアリングソフトもある中、Swiss-Manager が広く普及しているのはこの公開機能が大きく寄与している印象。

マテリアル

チェスの駒そのものが持つ戦力的な価値を数値として表した評価値。

一般に、ポーンが1点、ナイト・ビショップが3点、ルックが5点、クイーンが9点と言われている。単純だがかなり的確に駒の価値を表現できており、この数字に強く反対する人は筆者は見たことはない。とはいえ、ビショップの方がナイトよりも若干価値が高い、ナイト・ビショップを3点よりも若干価値が高い、などの細かい主張はある人は多い。

実戦におけるこれ以外の要素である駒の位置やキングの安全性などの評価値に対して、盤上の駒の数と種類だけで決まるマテリアルは明快でわかりやすい。盤上の形勢判断をする際は最初にマテリアルを見るプレイヤーは多い。
しかしながら、明快ゆえにこのマテリアルにのみ執着し、他の要素による差で負けてしまうことは初心茶あるあるである。

なお、マテリアルをHP、それ以外の要素をMPと表現するプレイヤーが一定数いる。駒の相対的な位置関係などで優位を築いてそれをどこかの時点で駒得につなげることを、ゲームにおいて MP を使って魔法を放って相手の HP を削ることになぞらえた表現である。この表現はチェスの実戦の進み方を上手く表現した言い回しで、筆者もしばしば使う。

ダブルビショップ

ビショップを2つ持っている状態のこと。

ビショップは駒の動き的に初めにいるマスの色とは異なる色のマスへは移動できないため、ビショップ1つでは白マスか黒マスのどちらかしかカバーできない。2つ揃うことで白黒どちらもカバーでき、1つだけよりも強いとされる。そのため、ビショップのマテリアルは3点だが、ダブルビショップは単純に足し算した6点を超えると評価することが一般的である。

ダブルビショップを何点と評価するかは所説あるが、7点とすることが多い。一部の過激派(?)は8000点だと主張している。

なお、英語ではペアビショップ (pair bishop) と表現することが一般的であり、ダブルビショップは和製英語である。ダブルビショップと言っても伝わることが多いが、避けるのが無難である。

全日本チームチェス選手権

年1回開催される、4人1チームの団体戦の大会。日本の大会としては最大規模であり、2024年の参加者数は247人に達した。(chess-results の選手リストベース)

初心者からトップレベルの選手まで様々な人達が集う大会であり、チェス界におけるお祭りと表現されることがある。毎年この大会だけは参加するチェスプレイヤーは多く、一種の同窓会としての役割も果たしている。

チェス協会時代はクラブ選手権という大会名だったが、チェス連盟体制へ移行したぐらいから現在の名称へ変わった。「クラブ」選手権という名前の通り、元々はチェスクラブ単位でチームを作ることを想定していた。しかし実際はチェスクラブ会員の定義が曖昧であり、実質的には任意のメンバーでチームを組めていた。そのため、実態に沿った名前である「チーム」選手権へ改称した、と筆者はどこかでチェス連盟の人から聞いた覚えがある。

参加者がとても多いこと、普段は大会運営スタッフとして活動している人でもこの大会だけはプレイヤーとして出たい人が多いこと、などから運営はとても苦労しているらしい。そのためか2024年には3チーム以上出すチェスクラブからは運営スタッフを出すようお願いする、棋譜用紙へのアービタ―のサインを不要とする、などの運営負担の軽減措置を取るなど試行錯誤している模様。

蒲田

東京都大田区にある街名。かつてはチェスの聖地だった。

かつてのチェスの聖地というのは、日本チェス協会時代ではほとんどのチェス大会は蒲田駅を最寄りとする大田区民センターという公民館で開かれていたことに由来する。当時はチェス大会へ行くことを蒲田へ行くと表現するなど、蒲田はチェスプレイヤーにとって極めて中心的な場所だった。

大きな転機が訪れたのは2018年頃の施設老朽化などに伴う大田区民センター閉館である。これにより大田区民センターで例年開催されていたチェス大会が開催施設の変更を余儀なくされた。結果、現在は蒲田とチェスの関連性は薄くなっている。とはいえかつて蒲田のチェス大会へ参加していた多くのプレイヤーにとっては思い出深い場所である。

現在の日本チェス連盟主催の大会は大井町駅を最寄りとする「きゅりあん」という施設で開催されることがほとんどである。そのため、現在のチェスの中心的な場所は大井町だと言える。ただ、日本チェス連盟体制になってからは公認クラブなどによるチェス大会の開催が大きく増えて存在感を増してきており、大井町がかつての蒲田ほどの圧倒的なチェスの中心地かというと微妙だというのが筆者の感覚である。

余談だが、蒲田駅から大田区民センターまでの道すがらにとてもお洒落な外観で目を引く富士通ソリューションスクエアという施設がある。筆者が大学生の頃に大会へ行く時はそれを横目に見ながら、ここに就職すれば定期で蒲田へ来れるからいいなぁ、とよく思っていたが、今考えるととても筋が悪い考えであった。

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